グラフテックエクソン Graftek EXXON G-1 1978 カーボンラップ ステンレスラグ ヴィンテージ ロードバイク フレームセット C-T540サイズ 【東京南麻布店】

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世界で初めて「一般市場で販売されたカーボンファイバーを用いたロードレーサー」は
1972年に米国で誕生したLine Seekerと言われています。
このLine Seekerは米国人のラリー・ブレーク氏がハンドメイドで作り上げたもので
ごく少数の台数がアメリカ国内で流通したと言われています。

70年代は「カーボンファイバー」の勃興期であり、自転車だけでなく
釣り竿やテニスラケット、ゴルフクラブに用いられるようになり
カーボン製の釣り竿を製造していたグラフテック・エクソン社は、その素材の多角的なアプローチとして
ラリー・ブレーク氏のLine Seekerの製造権を買収、1976年から1979年までの間製造されたのが
このグラフテック・エクソン(Graftek Exxon)のロードレーサー 「G-1」というバイクです。

社名にあるようにグラフテック・エクソン社は石油大手の「エクソン・モービル社」のスポーツ用品部門。
奇しくも70年代中期から後期にかけては石油危機、OPECによる石油減産措置などがあり
そうした石油エネルギーの将来の不透明さから、エクソン・モービル社として
新たな事業の可能性として取り組まれていた背景がありました。

当時のカーボンファイバーは単一素材では剛性や強度を確保に至らず
このG-1のモデルではアルミチューブにカーボンプリプレグを巻き付けるという
所謂「カーボンラッピング」のハイブリッドチュービングを
ステンレスのラグで接着するという、古典的な製法がとられています。
しかしながら、力の掛かる方向に対し最適な繊維の方向性が検討され
単なる化粧カーボンとは違い、カーボンファイバーの有用性を模索したものでもありました。

前期型の76～77年に製造されたフレームでは、ハイブリッド材の強度や信頼性が確保できず
Line Seeker同様にフロントフォークはコロンバス製のフォークブレードが用いられたものの、
77～78年に製造された後期型では技術的な解決が見えたのか、
ハイブリッド材のフォークブレードが用いられ
今回入荷しましたG-1もこの後期型と見られるモデルです。
こうして生まれたグラフテック・エクソンG-1は当時アメリカの国内選手権を走り
ジョン・ハワード選手の手によって当時数多くの勝利を記録したと言われています。
当時はまだジルコチューブ前夜のコルナゴ・スーパーや、当時米国で猛威を振るっていた
シュウィン・パラマウントに比べ、グラフテック・エクソンは600～800gほど軽量で
当時のラフなアスファルトにマッチした、よりしなやかな足回りだったとレポートされています。

グラフテック・エクソンは78年までこのG-1のフレームセットの製造したものの
工場のあったニュージャージー州の労働組合の問題から、工場が閉鎖され
会社もニュージャージーからフロリダとカルフォルニアへ分散し、
79年まで残った部材で販売は続けられましたが、その後再開発されることなく
挑戦的で、近未来的なフレームセットは短い製造期間を終えることとなりました。

入荷しましたモデルは、傷も多く、デカールもかろうじて残ってると言えるコンディションではありますが
接着抜けや、腐食もなくバイクの歴史を考えればなかなかお目にかかれない希少な一台。
イタリアに比べると傍流なヴィンテージ・アメリカン・ロードレーサーではありますが
是非、手にしていただきたい一台です。

※こちらのフレームはビチアモーレ南麻布店にて在庫しております。
　店頭お渡しも可能です。その場合は送料無料となります。
　場合によりましては倉庫保管されているタイミングもございますので、
　ご来店の前に必ずご予約いただきますよう、お願い申し上げます。